市民劇場 VOL.197 豊橋演劇鑑賞会会報 (2007年1月19日発行)


≪私が好む芝居は≫

 「すべての人間は解釈に依存している存在である」というのが、心理学でいう人間理解の基本前提の1つである。人は皆この基本前提で、芝居の良し悪しも含め、全てを判断している。そこから芝居の評価が分かれ、誰一人として同じ評価をしないのに同じ評価を求める愚かさ
を犯す。そして侃侃誇誇とやる。そして、自分にとってつまらない芝居と思うから「退会」ということにもなると思う。自分にとってつまらない芝居だと思ったら、つまらないけれどもつまらない芝居の中の良いところを一つでも見出せると「もったいない」は消えていくと思う。
 そこで、私のお気に入りの芝居はというと、時代の流れに翻弄されながらも、「お〜い人間!」と問いかけながら、人間の尊厳を守る人間の姿が描かれている芝居に深く胸打たれる。その具体的な芝居はといえば、遅筆堂さんが書く芝居である。「父と暮せば」などは私にとって絶品であった。
 最近「謎」という言葉のとりこになっている。社会や、子育て、教育が混沌としているのは、世界は謎、子どもは謎と思わなくなった大人が増えたからではないかと。世界もナゾ、子どももナゾ、そう思って社会を見、子どもを見ればワクワクするのでは?そうするとこれらのナゾが少し見えてきそうな気がする。芝居の世界もナゾ。ワクワクして観ましょう。今回はこまつ座が来る、うれしいな(笑)
 つげ野 濱田 哲郎



≪川口敦子さんへのインタビュー≫
  11月25日、昼公演前のお時間をいただきお話を伺いました。

※最初に下駄の鼻緒を作っている場面がありますが、役作りで経験をされたのでしょうか?
 浅草の鼻緒ばかり売っている問屋さんで教えていただきました。舞台で私がやっている、叩いて伸ばすのは、鼻緒作りの最後の工程です。この仕上げ前の段階の地味な仕事をやっているところもあるんです。昔はこういう手仕事の工程があったんですね。道具は本物の写真を撮ってきて、うちの小道具がそのとおりに作りました。

※翻訳劇と今回のような時代物とで、役作りに特に心がけることがありますか?
 違いはみんな感じてはいませんね。演出家も。材料は江戸ですが、芝居は現代劇と同じように考えています。着慣れない着物を着ることとかありますが、時代劇だからという特別なスタイルをもってやっているわけではないので、苦労してはおりませんね。

※藤沢周平作品のイメージに川口さんはぴったりだと思いました。おときさんも色気が感じられてとてもよかったですが、おときさんという人物をどうとらえてますか?
 色気を特に意識しているわけではありませんが、おときさんの心根の動き方でやっていることが、結果として出ているということならうれしいですが。普段色気のない人間で、養成所時代にも色気がないといわれて苦労したことがありました。色気っていうのは、女性が愛情に突き動かされて男性を前にして発散するものだと思うので、おときさんの心根が出ていればいいですね。

※俳優として藤沢周平の世界の魅力はどんなところだと思われますか?
 全体で言えば、日本人として私達が大事に思っていたことを、どんどん忘れてしまっている。それをもう一度思い出して、これでいいのかいと言ってくれている。それがブームになっているのではないでしょうか。藤沢作品の人物たちは、人間として一番大事なものを失っていない人たちだと思います。それが人間の一番奥にあるものを呼びさまされるのではないでしょうか。新潟出身のわたしにとっては、山形の海坂藩の冬の光景などは、原風景を見るようでとても好きです。

※川口さんがこの道に入られるきっかけはどんなことだったでしょうか?
 新潟県の田舎の地主の娘に生まれ、農地改革で没落しました。当時は家の存在が大きく、家を守るために女たちが苦労し、家と家との結婚をしているというまわりを見ていました。そういう中で、自分の一生は自分で決めたい、それには仕事を持たなくてはと思いました。当時海外から、「チボー家の人々」や、「ジャンクリストフ」など、大河小説が入ってきていて、それらを読んで翻訳家になろうかと思っていました。新劇も活発に活動を始めた頃で、たまたまいとこに連れられて三越劇場に行ったとき、こういう世界があることを知り、そこで働く青年たちが生き生きしていたこともあって、大企業の歯車のひとつにはなりたくないと思っていたので、それがきっかけで俳優座養成所に入りました。
 俳優になりたいと思ったわけでなく、自分の生き方の芯になるものが欲しかったから、自分の志だけで選んだことです。選んでから向かない仕事だと何度も思いました。でも自分で選んだことだからという思いで続けてきました。自分で向いているかどうかでなく、今はこれしかない。これでよかったかどうかそれは死ぬ時でしかわからないことだと思っています。

※最近テレビに出られませんが、舞台がお忙しいですか?
 現在、「黄金色の夕暮」 の再演など合計三本の芝居で旅ばかりして、舞台をたくさんやっていて、テレビには出る予定がありませんね。

※これからやってみたい役は?
 芝居に出てくる女性は、際立った個性を持っているとか、際立った生き方をしている人が多いですが、日本の大地に根ざしたような、日本の女の人は芝居にならないかと思っていました。昨年「春しのびがたきを」という斉藤燐さんの戯曲ですが、没落地主の当主の奥さん役をやったのです。これは、皆さんにもぜひ見ていただきたいと思う作品で、私は来たなという感じで、状況は違いますが母へのオマージュだと思ってやっていま
す。

○インタビュー後記
 はじめてのインタビューに緊張しました。川口敦子さんが、自分の生き方としてこの道を選んだと語られ、働き続けてきた女性としてとても共感しました。芯のある女優さんで、一層フアンになりました。
   すこやか 大場扶喜子、新村純子



≪豊橋勤労福祉会館の存続を≫

 署名活動へのご協力ありがとうございました。

 豊橋勤労福祉会館の存続を求める署名活動は、11月中旬で、49,396名の署名を集め、11月28日(火)に愛知県庁に届けました。6月から始められた署名活動も、愛知県に対し私たちの存続の熱い声を届けることで、ひとまず運動のくぎりをつけることができました。
 愛知県庁へは、「豊橋勤労福祉会館の存続を求める市民の会」の事務局団体である豊橋文化振興財団、豊橋おやこ劇場協議会、豊橋演劇鑑賞会の役員メンバー8名と名古屋市民のための会場をつくる会の役員2名、総勢10名が参加しました。
 県からは、青木学・愛知県産業労働部労政担当局長が応対しました。青木局長は、「折角ある施設なので、できるだけ存続できるように、豊橋市と連絡を密にしながら、知恵を出し合って考えていきたい」と述べました。県としては、県有施設として残すことは考えていないようです。この間題が早期に解決してほしいのは文化団体の願いです。県としては、2007年度中には解決のめどを立てると明言しました。会館の廃止は例会場を失うことを意味します。引き続き存続の声を広げていきましょう。


  ピカソサークルの巻
 ZAO2から根分けして一つサークルを作りました。おまけに二人の入会がありヤッホーです。
 早速サークル会を十二月四日昼食をとり乍らオシャベリ。一人欠席でしたが大井さんをまじえて六人!!
 (新入会)二人共とてもサークル活動には協力的とみえてうれしくなりました。
 まずサークル名をなににするかということに。短くてインパクトのある名前と思いベルバラとピカソ二つ出しました。皆さんは私の独断と偏見を許して下さり「ピカソ」に決定。ピカソの絵のように美人揃いのグループです。よろしく。
 そして来年度の運営サークル活動はどれにするか決めました。「明石原人」に決定。日色さんに逢える。今から楽しみで〜す。
 (ピカソ・斎藤典子)




≪運営サークルのまとめ≫俳優座公演 「きょうの雨、あしたの風」
第1回運営サークル会
 9月日日別に28サークル32名の参加(昼夜合計)で第1回目の運営サークル会をスタートしました。目標はあくまでも前例会クリアー、今回で10回連続の記録がかかっていたので第一目標に掲げました。藤沢周平、時代劇、俳優座と役者はそろっているので作品としては申し分なし。サークル紹介をして、2回目以降のスケジュールと目標に向けての取り組み方を話し合いました。

第2回運営サークル会
 10月4日(水)に33サークル50名の参加で、脚本の吉永仁郎をお迎えしての演劇講座と第2回運営サークル会を開きました。吉永さんは2回目の出演であり、藤沢作品がなぜ好きで、その魅力をわかりやすく解説して戴くとともに、この芝居の見方やポイントなどをユーモアを交えて話して下さいました。舞台へのイメージが膨らみ例会が待ち遠しくなったのは言うまでもありません。あとの運営サークル会では吉永さんの話を聞いてよかったという感想が多く寄せられました。こう言った素晴らしい作品をまだ鑑賞会を知らない人々に知らせてお誘いしようと確認しあい
ました。

第3回運営サークル会
 10月18日(水)に24サークル27名の参加で行いました。この時点での会員動態は入会7名予定4名退会51名でした。お誘いしてもなかなか入会までは至らないケースも多くだされ、目標達成の道程の厳しさが強く感じました (運営サークルが例会の成功に向かって運動するとき、いかに結集し、いかに機能したら鑑賞会らしいものが展開出来るのだろうか)。まだ残り1カ月以上あることから諦めずに電話かけ、声かけを続けていこうと確認しあいました。

第4回運営サークル会
 11月10日金に30サークル33名の参加で行いました。前回以降、新たに第4回目サークルの参加お知らせの葉書や電話連絡により現状の報告とさらなるお誘い行動の呼び掛けを訴えてました。よって入会16名になりましたが、前例会クリアーまであと35名という結果のため、このまま例会を迎えるわけにはいかないという思いで、時間をかけて話し合い、対策を協議しました。また例会前に臨時の運営サークルを持つこと、諦めずにクリアーを目指す取り組みを続けることで一致しました。当日の担当や劇団との交流の取り組みも積極的に拘わることで例会を盛り上げていくことも確認しました。

臨時・運営サークル会
 11月20日(月)に19サークル21名の参加で行いました。4回目以降16名の入会を迎え合計32名の入会に達しました。お誘いの取り組みは着実に結果を出して来ていると確信し、最後まで諦めないで1人でも多くの新人会を迎えたいと思いました。次回にもつながる取り組みを最後までやり抜くことで締めました。

まとめの会(第5回)
 12月2日(土)に14サークル14名の参加で昼夜合同のまとめの会を開きました。芝居の感想と例会運営の感想並びに検証を行いました。残念ながら前例会クリアーは達成できませんでしたが、最終的には入会36名(退会51名その他の活動状況は別表の通り)まで積み上げることが出来ました。とかく結果が重視されますが、3回目以降の頑張りは評価できるものであったと思います。できれば序盤にもう少し勢いが欲しかったです。お芝居の感想の話になると、これが実に盛り上がりました。芝居そのものの良さはもちろん、その後の登場人物たちがどうなったのか?特におときは幸太を許したのか?私ならどうしたか!いやそれはこうだ!などといったように様々な憶測が走り、愉快でした。これがまとめの会の醍醐味と思える楽しい会になりました。みなさん是非まとめの会に一度参加してみて下さい、これが本当は一番おもしろいのですから。来年も運営サークルをやってみたいかどうかは 「まとめの会」 に参加したかどうかできまるかも知れません。

 運宮委員
  鈴木 秀二 (アルハンブラ)
  河村 瑞枝 (せせらぎ)
  新村 純子 (すこやか)
  加藤 慶吾 (ギャラリーBE)
  森下いすず (Z A O)
  斎藤 典子 (ピカソ)

 サークル・会員数
   9月「最後の恋」 2,123名
  11月「きょうの雨、あしたの風」 2,108名
    入会36名 退会51名−15名(+6サークル -4サークル 306サークル)
     (根分けサークル3 サークル化1新サークル化2)

 運営サークルの活動
  運営希望サークル   49サークル
  参加サークル    47/49  96%
  入会有サークル   12/49  24%
  入会数       18/36名 50 %

 例会参加状況
  11/24徐)ヨル 682名
  11/25仕)ヒル 793名
         ヨル 283名
   計       1,758名
  参加率       83%



≪感想文≫
第196回例会・11月 俳優座 『きょうの雨、あしたの風』

「普通が一番」   ZAOV 庄あつ子
 江戸時代の市井に生きる人々のが、テンポが早かったりしんみりゆっくりと描かれ、アツという間の2時間25分でした。人のため″に人とかがわっていくことが、だんだん薄れつつある昨今、長屋の人々の暮らしは何かしらホツとするものでした。おときさんと幸太さんの展開には一寸驚きましたが、人を恋するとあんなにも若くなれるのが・と改めて感心〃恋心″って大事なんですね。藤沢周平氏は生涯「普通が一番」と言っていたそうですが、家族を大切に、周りの人には思いやって毎日を送る、そういうことがなと思いました。藤沢ワールドを楽しんだ晩秋のひとときでした。

余韻が残ったお芝居    青い鳥 岡田京子
 生きていれば誰しも一度や二度の不運に出くわす事があるのが人生かもしれない。自分でそうなりたくてなった訳ではない。気がついたらそうなってしまっていたと。いつの時代でも、どこにでもいるようなそんな人々を廻り舞台を通して色々な事を考えさせられる余韻を残す素晴しいお芝居だった。見応えのある作品だった。私はおときの愛憎が印象に残った。

雨上りに吹く風のあとの日を感じて   羊 松尾信子
 藤沢周平さんの描く心暖かな、庶民の話の短編三作を、どのように一つの芝居にしたが等、演劇講座で脚本家の吉永仁郎さんに聞いていたので、目まぐるしく回転する二軒も含め、四家族の話に、混乱することもなく楽しめた。何かと心が寒々しくなる二ユースを耳にすることが多いこの頃、あたたがい心持ちで家路につけて良かった。

例会から感じたこと    豊城 M
 藤沢周平の短編集「肝リ雨」中の作品からは、江戸の下層社会の住人たちが、一人一人の力量や運のちがいはあっても懸命に生きようとする様子と、その人たちに対して安易に善悪の判断をしないという作者の姿勢を感じました。舞台中央の露地を中心に作られた長屋に、いくつがの小説の登場人物をつぎつぎに投入し、廻り舞台を活用して目まぐるしく舞台転換をしていく手際のよさ。原作中の、寺の裏庭、賭場、大川端の水中、旗本屋敷、それらをつなぐ道と橋など、この舞台をとりまく外の世界が、露地に入ってくるさまざまな人物たちによって過不足なく暗示され、またそこから出ていく先の世界までもが想像できるしかけ1」おそれいりました。

あさっての天気は?    キフジン 梅村浩子
 子供の頃、連れて行かれた芝居は時代劇といっても、「チャンバラ」だった。全てハッピーエンド。現代劇より、時代劇の筋の方がわがリやすい。長屋の住人のたくましさ、情あり、恋ラブシーンあり、小悪人が出ても、おどけ役の子分で、痛くはなっていない。おしずさん達はうまく逃げられたかしら?おときさんの恋をした、女の色っぽさ、そして無念、無常、でも再びどうなるのがしらん? もう一度粋な着物とがんざLを付けさせてあげたい……と思うのは私だけがしら? 恋愛は一方ではない筈だ。余韻を楽しませてくれた時代劇だった。

暖かい気持にしてくれた     多夢 山下
 時代小説があまり好きでない私は、藤沢周平さんの本を一度も読んだ事がない。脚本を書かれた吉永さんのお話を聞いても、今一つ気乗りせず例会を観ている内に、どんどんのめり込んでいってしまった。内容は落語に出てくる、長屋の熊さん、八さんの世界ですがとても暖かく気持ちがいいのです。お節介なおばさんや、人のいい夫婦、我が身を返りみず人助けをする人達。ふと我に返ると今そういう人達が周りに居ないのです。いじめや、虐待と嫌なニュースばかりの現在、長屋の人達の様な人々が必要なのでは。楽しさと同時に、色々と考えさせられる芝居でした。

きょうの雨あしたの風を観て    マイカ 杉浦きみ
 藤沢周平の作品は「蝉しぐれ」を読んで以来大好きになりました。 今回の演劇も、今日雨が降ったら次の日は風が吹く、その次は小春日和が待っているような期待を感じさせるものがありました。短編三部を一つの舞台にすっきり当てはめている吉永先生の脚本も内容を盛り上げていると感じました。江戸庶民の貧しい暮しの中に、心に染み込む人情味、胸をしめつける切なさ、貧しさにめげない明るさ、たくましさを感じました。特に台詞のないラストシーンは、ジーンとさせられました。幸太がいつか帰ってくるのではと恵をひそめ待つおとき、そこへ傷ついた幸太が入口まで来ていながら、身勝手な自分に許されることではないと入らずに去って行く。やるせなくて手助けが出来たらいいと思いました。ハッピーエンドといがぬところが奥深いものにしているのかも知れません。

久しぶり、時代劇!   松竹梅 小野田利子
 なんか、手がかがっているという感じがしましたね。かつらを着けるのも、着物を着付けるのも時間がかがるんだろうなぁと。 バックステージツアーに参加して長屋が回転することは説明を聞いていたのですが、一回が二回、場面を変えるだけだろうと自分では想像していたのですが、あんなに何回もくるくる回転させるとはツアーのときにそのやり方を見ていたので、これまた大変だなぁ…。けっこう、ぬれ場もあったりして、心臓がバクバクしちゃいました。開演前にセットを見られたおかげでステージがすごく身近に感じられた。



≪運営サークルのページ≫
第196回例会 俳優座 『きょうの雨あしたの風』運営の感想

運営委員を担当して   ピカソ 斎藤典子
 初めて運営委員として運営委員会に参加しました。何度も会議に出るのは大変でしたが花束を渡したり舞台探究をしたりして段々面白くなってきました。あまり目立ったり、シャシャリ出るのは好きじゃないけどはまりそうです。お手伝い皆でやれば楽しいよ!!

初参加の小夜食作り   羊 松尾信子
 搬入は大道具と衣裳が多く、回り舞台は劇団の方々が運ばれたこともあって、30分程で終った。小夜食は初めての参加で心配でしたが、皆さん得意の料理を持ち寄られ、テーブル一杯に並べられた品々に、劇団の方々がびっくりする程でした。おでんに甘味噌の用意もあり、名古屋出身という」ハ助役の島さんが、4、5年振りの味と大層喜ばれました。温かいおでんは有難いと好評でした。皆さんの笑顔で食べておられるのも拝見でき、普段お会いしない会員の方達とも、楽しくお話しながら準備が出来、充実した半日でした。

はじめての運営サークル   ペンネーム ポテトサラダ
 初めて、小夜食の係りに参加しました。ふだん小人数の料理しか作っていないので分量の見当もつきませんでしたが、出演者の皆さんが食べて下さると思うと気合いもひとしおでした。
 大鍋2つのおでんをメインに8品、メニューもいろいろ。特におでんは好評で、名古屋出身の俳優さんは、「赤みそがとてもなつかしい」と喜んで下さいましたり若い女優さんは、お母さんから「豊橋では是非ちくわを食べて来るように」とメールが来たと話して下さいました。
 ただ芝居を観るだけでなく、自分もその芝居に一部だけでもかかわっていると思えるのは楽しいことです。俳優さんの素顔も垣間見ることが出来、有意義な経験をさせて頂きました。

演劇講座に参加して    キュリー 渡辺令子
 「きょうの雨 あしたの風」の劇作家の吉永仁郎さんの講演会はこの芝居の雰囲気が、話のいたる所から伝わってきて、オープニングを垣間見たような、得した気分になりました。また、藤沢周平さんの複数の小説内容をミックスして今回のお芝居を作り上げた、とおっしゃった所が印象的でした。

放送を担当して     多夢 山下
 ここ数年、脳に刺激を与えて若返りをと思い立ち、今迄担当してこなかった事に、チャレンジしています。今年は放送を!!
 マイクでしゃべった事のない私は、10日程前からのどを痛めて声も良く出ません。前日から薬を飲んだり、はちみつをなめたりしていざ本番へ。工イツと、気楽に酷いマイクの前に座ると劇団の製作の方のピリピリしている様子。私の方がどうしようと慌てました。スイッチが入り、「皆さん」と、呼びかけの声を出したら一寸落ち着きました。休憩の放送も終り、出来の善し悪しより無事終った事で、ホツと一息つきました。
 少しは若返ったと思います。久し振りの緊張で。

搬出に参加して   ウッドストック 山田規恵
 運営サークルで搬出に参加しました。入会してまだ白が浅い私は初めての経験でした。
 廻り舞台は、こんな風になっているんだ、こちらのセットは…などと、とても興味深く手伝いをすることができました。劇団の方々の手際よい片付けに感心させられつつ、少しでも役に立てたことに喜びを感じました。

ルールは守りましょう!!    明日香 大木
 今まで運営サークルでいろいろお手伝いしてきましたが、駐車場整理は初めての経験でした。雨が降るといやだなと思っていましたが、幸い天気も良くあまり寒くもなく運が良かったと思います。一般駐車場の入口に立ち、演劇を観に来た人で特別な理由のない人は、大ホール専用の駐車場に回る様にお願いしました。毎回の事なので、大抵の人は承知してみえてスムーズにいきましたが、中には、制止を振り切って突っ込んでくる人も1、2台ありました。
 危険でもあり、ルールを守らないのはずるいと思いました。今後はそんな事のない様にと願います。

役者魂   ブーフーウー
 いつもは、昼の公演を観て搬出をしていましたが、今回は3例会公演となり、夜の会が最後となり、搬出の協力をできる人が減ってしまいました。今後は担当する内容も変更していかないといけないがなと思います。
 搬出中は、ふと気がつくと光っている人達がいるではありませんか。若手の役者さん達が加わり、回り舞台で何軒分もセットがあり片付けは大変だなと思われたセットもスムーズに片付けられ、仕掛けもわかり、最後にはさわやかなあいさつもいただき、今回の例会同様にほのぼのとした気分になれました。わかりやすく、笑いあり涙ありの人間味あふれる芝居に久し振りに出会った気がしました。

ロビー係りをして思う     GBE K・K
 土曜日の夜は特に観劇する会員も少なかったせいが上演中のロビーは閑散としていました。観ないで運営を担当しているサークルの人が少ないのです。休憩の合間もロビーに出てきた人少なく静かでした。では金曜や昼間の例会なら賑やかがというと静がなのです。人の数はあるのですが、活気がないように感じられます。いったいなぜか?大きな声を出したり、笑ったりする人もいない、動き回ったり、走ったりする人もいない。つまり落ち着いた人ばかりで若者が殆どいないのです。昔感じたあの熱気やらざわざわした活気がないのです。静がなんです。それはそれで静かなのはいいんですが、観る姿勢が弱いように思えてならないのです。もっと、拍手や笑いや感動をあらわす叫びみたいなものが会場から聞こえて来ないのです。仕方のないことでしょうが…
 私は、かつての熱気のムンムンした活気のあったロビーにこの鑑賞会の熱い鼓動を感じました。さあ、芝居を観るぞ−という姿勢に圧倒され、自分もそれに乗ってしまったように覚えています。確かに会員数の減少や会員の高齢化が進み、かつての雰囲気はありません。しかし、鑑賞会への「熱い思い」をなくさなければ、今なりの活気はでてくるはずであると思います。少なくても運営サークルの時は観ない日でも運営に参加しよ
うという意気込みが大切ではないでしょうか?そして幹事の人が見本を示すべきです。鑑賞会は今はなんとか存在できています。しかし会員一人一人が大切に思わないといずれ消滅してしまうかもしれません(なくなれば心に大きな穴が空くでしょう)。会館の存続の問題はその問い掛けになりましたが、まだまだ人ごとに思っている会員が多いように思います。一度なくなったらもう次はないと同じです。もっと皆さんが鑑賞会のこ
とを思い盛り上げて欲しいものです。次の世代にも引き継いでいくことも真剣に考えないといけないでしょう。今回ロビーにいてこんなことを思ったりしました。

営サークルの反省     マイカ 杉浦きみ
 今回は私が体調をくずしてサークル会を休んでしまったり、声がけした友人にことわられたりして思うように協力出来なかったことを申し訳なく思っております。
 今後も運営サークルの時だけでなく折りにふれ入会をすすめるよう心がけて行こうと思っております。

『きょうの雨…』とことしの秋風…    アルハンブラ 鈴木秀二
 毎年大好きな秋に運営を担当しています。今回は気軽にヨルの運営委員も引き受けてしまった。
 ところが自分のサークルに1名の新入会も迎えることができなくて結果の厳しさに秋風が身に染みることになってしまった。しかし、運営担当は楽しまなければとの思いは毎年一緒です。今回も脚本の吉永仁郎さんの演劇講座でのお話で職人気質の雰囲気を出すため」八郎役の島英臣さんはノドを一時的につぶしておられるとのこと、舞台をみて聴いて実感した。
 バックステージツアー。長屋のセットが実にリアル。台所には『火の要憤』軒先には『久松るす』の貼り紙、その頃、お染風邪なるものが流行っていたからだそうだ。客席からでは分らない時代考証、運営担当の楽しみのひとつです。

担当幹事として拘わって    GBE 加藤慶吾
 今回の例会は8月22日の打ち合わせ会よリスタートし、9月11日第1回運営サークル会を皮切りに5回の運営サークル会と4回の運営委員会を行い、例会を迎えました。47の運営サークルが一丸となって担当しましたが、目標の前例会クリアーを達成することが出来ませんでした。芝居は本当に素晴らしいものでしたので残念でした。自分のサークルに新しい仲間を迎えることのできたサークルは3割に届きませんでした。会員を増やす取り組みは会にとって一番大切な目標です(鑑賞会の存続にかかわる事だからです。)今回は新入会の伸びが運動サークル会を重
ねてもなかなか増えず、運営サークルの頻回の声かけや電話かけ、お誘いにも拘わらず結果がついてきませんでした。退会51の山はかなり険しく高いものでした。しかし、最後まで諦めないで頑張った成果として36名の新入会は次につながるものになりました。頑張りがなければ10いくつかで終わっていたかも知れません。この経験は何等かの形で次に生かされて行くことと思います。
 そうそう簡単には前例会クリアーは出来ません。運営サークルが知恵を絞ってこの課題と正面からぶつかり、この体制をただ守るだけでなく、発展・進化させる気持ちで楽しく、明るく展開できれば、この運動の理念「より多くの人とすぐれた演劇をみることを通して、自ら豊かにし、日本演劇の発展とより良い明日をめざす。」にも通ずる所があると思えます。一部の
人が動くだけではなく、会員一人一人が鑑賞会を支えていることに気が付いて、本当にみんなで一丸となれた時、ものすごい生きがいを感じ、鑑賞会の素晴らしさが理解できると信じています。とかく人とのつながりが薄れてしまっている現代で希少な貴重な鑑賞会を盛り上げていこうではありませんが。
 今回担当された運営サークルの皆さんの働きに感謝します。

搬入を担当して    コロ O・M
 今回の運営サークルの担当は、搬入をしました。いつも感じる事は、トラックに多くの大道具、小道具などがピッシリとすきまなく乗せられており、又、降ろす時も手際よくなされることです。
 後でお芝居をみる時に、自分の運んだものがどこに置かれているのが、捜したりするのも楽しみのひとつです。
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