市民劇場 VOL.200 豊橋演劇鑑賞会会報 (2007年7月2日発行)
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■私の人生と演劇鑑 |
手筒花火で有名な豊川の進雄神社の横に、昔、「豊川座」という芝居小屋があった。その小屋は私の祖父が芝居好きの祖母のために建てたとかで焼き印のついた木札を持っていけばいつもただであった。
そこへ劇団の人が来てその多くは歌舞伎であったが時に新派もあった。これが私の芝居見物の初体験である。それから時代は戦時下に入り、旅芸人も来なくなった。
戦後の第一回の演劇鑑賞は、名古屋の名宝劇場(といったように思う)で新劇合同公演の「どん底」を見たことである。あの五階くらいあった階段をびっしり埋めていた人達の高揚した顔付きを忘れることはできない。そして、夜でも昼でも牢屋は暗い・・・のあの歌は今でも口に出る。その頃、豊橋では文学座の「商船テナシティ」の公演があった。又、このような演劇とは別な所で各町村の青年団の演劇活動が盛んになり、その延長線上に、私の父、園義雄の関係していた「豊橋芸術劇団」がある。この公演はいくつか見ている。しかし、父が急死し、社会情勢の変化もあって劇団活動は衰えて行く。
そしてそれから四年後、豊橋でも中央の芝居を見ようという機運が持ち上がり、ここに豊橋演劇鑑賞会(当時は市民劇場)が発足した。その第一回の「夕鶴」からこの二百回の「銃口」まで、よくぞ見たものである。ほとんど欠席なしだから。それでも忘れたものも沢山ある。しかしいくら忘れたものがあったにしても、その何かは私の人格形成の一助になっている筈だ。
そして、好きなものだけを見るのと違って、いろんなジャンルの作品なので視野が広くなる。個人的な意見をいえば、何か思想性の感じられるものが好きだ。「上海バンスキング」や「洪水の前」など。
がまシニア(2) 高木 陽子 |
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■第32回豊橋演劇鑑賞会定期総会 〜豊橋商工会議所大ホール〜 |
■議事の内容 6月2日(土)午後1時より豊橋商工会議所大ホールにて第32回定期総会が開催されました。
60サークル82名の会員が出席しました。(委任状204サークル)。
はじめにゲスト(イッツフォーリーズの石川さん・ピュアマリーの保坂さん)の挨拶があり、06年度の活動報告と会計報告が行われ承認されました。
06年度は創立30周年の年であり、それを記念とする活動と運営サークルの活動を中心に進めて来ました。記念例会「アラビアンナイト」はパーティーも含め、30周年にふさわしい盛り上がりとなりました。また「少年H」より運営サークルによる《座席指定》に変更され、運営サークルの責任で進めていけるようになりました。また、記念誌の発行もできました。
課題としては、運営サークルへ複数参加がまだまだ少ないこと、運営サークルクリアー比率の低さにみる代表者まかせの活動になっていること、そしてサークルクリアーの実現のため新しいサークルなどがあげらけました。勤労福祉会館の存続運動では5万筆近い署名実績を得て今年も積極的に働きかけることが報告させられました。
07年度活動方針は、改めて日本演劇の民主的発展を鑑賞運動の理念にして (戦争や天皇制を賛美したりに協力するような芝居はやらない、特定の劇団にとらわれない)、それとサークルを基礎にした運営サークルの活動をより一層充実させていこうということを確認しました。ここでサークルと会員制がいかに大事であるかが議論されました。例会の改正としては、中高生の会員でなくても観劇できる制度を廃止することが提案され承認されました。
■主な発言内容 テンダーウーマン・清水
入会して10年になる。2名という時もあった。この会がなくなってしまっては困るから、定年を機会に意識して増やしていって、いまは18名になった。いつもチラシをカバンに入れていて、お誘いしている。3例会連続で新しい仲間を増やした。「あなたと一緒に観たい」。これが殺し文句。その人と一緒に、が大事。湖西から観に来ている。運営サークルの時でなくても、パンフを大いに活用して増やしていきたい。
H−NOK−・白井
私は19年前に入会しました。今では上の子が中学一年生になります。ある時「お母さんは、どうして僕をおいていくのり」と言われて、『夢があるから!』から入会して一緒に観ている。『ルームサービス』 では、一幕目はほとんど寝ていたが、二幕目はゲラゲラ笑って観ていた。若い人をもっと大勢誘って観てほしい。
赤ずきん・山科
提案させていただきたいことがある。運営サークルの時、誰にお誘いしようかと考えて、これは身内だなと思って娘を誘ってみようと思いついた。しかし娘は子育て真最中で、孫の世話をするとなると、長く観続けることは無理かなと思ってしまう。そこで託児を考えてみたらどうか?若いお母さんたちをもっとお誘いしたいから、託児について議論していくことを望みます。
ピカソ・斉藤
入会して7年ぐらいになる。これまでZAOの森下さんにおんぶにだっこだった。ここに来て少し責任をもとうと思って根分けした。サークル名もシャレた名前を付けたいと思って、絵が好きだから、“ピカソ”と名付けた。根分けで、少しは責任をもち、会員を増やしていきたいと思えるようになった。
アルフェンス・中西
『オセロー』 の時に、調剤薬局の薬剤師さんをお誘いした。一回こっきりではダメなので、「観つづけてもらえますか」と聞いたら、「いいですよ」と言ってくれた。例会場で 「生で観るのはいいですね」と言ってくれた時はとてもうれしかった。
紫苑・杉浦
いまサークルは23名なので、少し煩雑かな、と思っている。ZAOの話を聞いて、根分けを今年度の課題にしたい。今年度、土曜日の例会が無くなってしまって観ら
れない人が出てきた。サークルでは、お便りを作って、少しでも気持ちが伝わるようにしています。
■2007年度活動方針
日本演劇の民主的発展を演劇鑑賞運動の理念に、サークルを基礎にした運営サークルの活動をより 一層充実させていきましょう。
(1) 年に一度の運営サークルに、代表者だけでなく、複数で参加しましょう。
(2) 運営サークルに参加するときは、1名以上の新しい仲間を迎え、すべての例会で前例会クリアを実現させましょう。
(3) サークルは、鑑賞会の柱です。新しいサークルづくりを積極的にすすめ、サークル数の前例会クリアを実現させましょう。
(4) ブロック統一企画を会員の手で魅力あるものにしていきましょう。
(5) 豊橋勤労福祉会館が存続できるように全力を尽くしましょう。
(6) 豊橋に演劇専門劇場をつくる会と協力して、劇場建設を進めていきましよっ。
(7) 全国の鑑賞団体、創造団体、地域の文化・民主諸団体と連帯し、文化発展のために交流を深めていきましょう。
(8) 文化活動を阻害する消費税税率アップに反対していきましょう。平和は、豊かな文化が花開くための絶対条件です。平和憲法を守る運動に連帯しましょう。
■総会記念ミニコンサー卜
11月例会『おれたちは天使じゃない』に夢が広がる!
総会の議事が終了した後、総会記念として、11月例会、イッツ・フォーリーズ公演、ミュージカル『おれたちは天使じゃない』のプレ公演企画として、『おれ天』に出演される俳優の福沢良一さんと坂口阿紀さんをお迎えしミニコンサートを開きました。
福沢良一さんは、愛用のギターを持参して登場し、弾き語りコンサートの雰囲気をつくって下さり、出席した会員も大喜び。『おれたちは天使じゃない』 のミュージカルナンバーから「翼のない天使」「今、今、今」そして「見上げてごらん夜の星を」などを熱唱されました。福沢さんのお話も面白く、イッツ・フォーリーズのこと、作曲家いずみたくさんにまつわるお話など興味がつきません。福沢さんのお話を聞いていて、故いずみたくさんが、外国のコピーではなく、日本のオリジナルなミュージカル、しかも子どもから大人まで楽しめる良質なミュージカルを創り広げていくことに苦心されたことが伝わってきました。いずみたくさんはコマーシャルソングも数々作曲されており、私たちにも馴染みのある曲を少しだけ披露してくれました。また、福沢良一さんが歌った曲で一番ヒットした曲は、なんと「ウルトラマンタロー」 の主題歌だったそうで、意外な一面も知ることができ楽しい時間を過ごすことができました。
最後に『見上げてごらん夜の星を』を会員も一緒になって歌いコンサートをしめくくりました。福沢さん、坂口さんの歌のうまさに酔いしれた一時間でした。H月例
会の『おれたちは天使じゃない』が待ち遠しくなりました。期待がふくらむミニコンサートでした。
翼のない天使 作詞藤田敏雄・山川啓介
寂しさにひとりで ふるえる夜ふけ
遠くから誰れが来る マーチ鳴らしながら
それは翼のない天使なの 聞えるでしょうホラねドラムの音
自分が苦しくて 泣きたい時も
ほほえんで抱きしめてくれる 優しい人
それは翼のない天使なの 私にだけは見えるその姿が
神様あなたには 会えないけれど
だいじょうぶ辛くても 私はもう泣かない
だって翼のない天使がいる 人間の姿した天使がいる
■1990年度から始められた中高生が会員でなくてもいつでも観劇できる制度を廃止することを提案し承認されました。
【廃止理由】
@昨年度において、この制度を利用して観劇した中高生は5名でした。一方、会員になった中高生は21名いました。私たちの会は、会員制とサークルによって民主的な組織が維持されています。鑑賞の機会を提供するのではなく、自らが会員となって会を構成し、演劇鑑賞という独自の文化を築く〓貝になっていくことが望ましいと考えます。今年の3月31日現在で、中高生の会員数は、29名です。
A一回だけとか、この例会だけ観劇するといった演劇鑑賞では、継続して演劇を鑑賞する若い世代の人たちが増えてきません。
中高生であっても、会員として演劇を観つづけることで、はじめて演劇への関心と豊かな感性が育っていくものと思われます。
今後は、中高生の会員を積極的に増やしていくことも視野に入れて運動を進めていきたいと思っております。
■総会に出席して 松竹梅・小野田利子
今まで友達に負んぶに抱っこで何もしませんでした。この一年位でやっと片足を突っ込むことが出来ました。今後はどのようにサークルの皆を巻き込んでいくかを考案中です。巻き込まれていっぱい楽しいことがあることを私も知ったので、これを他の人にもぜひ知ってもらおうと思っています。こんなことが出来るようになったのも、やはり子育てが終わったからだと思っています。日本人には、やはり小さな子どもを預けてまで、余暇を楽しむという習慣がまだまだないと思います。家族の社会の現実が今一歩ないのが現実のような気がします。
テンダーウーマン・清水美枝子
子どもを持った人たちの拡大に子どもを預ける場所を例会場につくることはいろいろ問題もあると思いますが、前向きの話し合いが必要だと思います。活発な意見が出てよかったと思います。自分のサークルの今年の目標も、根分けとして頑張っていきたい。ミニコンサート良かったです。
紫苑・杉浦さとり
運営サークルを活動の中心に、鑑賞会を支え、劇を観続けていくことが確認できた総会であったと思う。私のサークルは、根分けが今年の課題です。この1〜2年で退職する会員が多いので、なんとかうまく根分けができるように努力してみようと思う。今年は会計報告、活動方針などスムーズに進みよかったです。11月例会は運営担当です。がんばります。すてき
な時間をありがとうございました。
キャロット・山本淑子
第32回定期総会に参加して、毎回観劇を楽しく観続けていくことに一人ひとりのサークルに対する自覚がどんなに大切か、一人ひとりが運営に関心をもって、楽しい仲間を増やすことが、今大切なことだとつくづく思います。皆さんの発言、運劇鑑賞会に対する熱意が感じられます。今日は、楽しいコンサートを聞くことができてよかったです。ありがとうございま
した。
えん・仲神靖子
「えん」の代表者が入院加療中で、初めて総会に出席しました。昔、おやこ劇場で代表者であった山科さん、坂井さんにもお会いでき懐かしく思いました。私の育った田原の人が頑張っているのも頼もしかったです。例会も続けて観ることが、仕事を退いて可能になったけれども、仲間増やしはまだまだ。昨年なんとか1人増やしたけれど、今年は目当てもないと思っていましたが、なんとか見つけなければならないと思いました。
三人姉妹・辻巌生
私は,08年の7月例会『アルジャーノンに花束を』をテレビドラマで見ました。主役の男性の役が障害者の役だったと思います。それをテレビではなく、劇でやるとどうなるか、とても楽しみにしています。
多夢・山下雅子
託児所の問題は、いま困っている人たちのことです。ゆっくり考えていては不要になってしまいます。コンスタントに例会に観られず、私たちもとても困っていました。そんな託児所の話があったなんて知りませんでした。だから急いで下さい。お願いします。コンサートも含めて、中年以上の方々が多く、笑いとともに和やかな総会が良かったと思います。
みと小径・古田玲子
28万人から22万人に減った全国の現実。日本の演劇を支える会員であることを感じ入りました。多くの意見を聞くことができ、出席してよかったと思います。
葉月・堀尾
ミニコンサート ヨカッタ!
■全国の仲間と劇団・創造団体からステキなメッセージが届きました
【鑑賞団体】
岡崎演劇鑑賞会
30周年の確固たる歴史の上に、さらに新しい一歩を着実に進められていることは、すばらしいこととお喜び申し上げます。特に、ここ2〜3年の豊橋には学ぶべき点が多くあります。困難な時代ですが、ともにがんばっていきましょう。
浜松演劇鑑賞会 幹事会
創立30周年のお視いの行事を成功させ、サークル数・会員数を増やして迎えられた節目の年、本当におめでとうございます。更なる飛躍に向かって、「運営サークルを本流にする」この運動を、実践をとおして、ますます豊かなものにされる事と思います。「運営サークルを本流にする」活動は、日本の演劇鑑賞運動の半世紀以上にわたる営為の中から織り出されて、理論と実践を貫く壁日岡の運動論であると確信しています。ともに奮闘し、この自主的で民主的演劇鑑賞運動を輝かせていきましょう。
広島市民劇場
私たちの自主的で民主的な演劇鑑賞活動の目指すところ、向かうところは、どこまでもサークルと会員自身の自主的で自覚的な文化運動に発展されていくことです。
北九州市民劇場
私たちの会は、世界に一つ。前人未踏のこの世界でこつこつと一つの歴史を刻んできました。60年代、九州で始まった「サークル路線」が70年代、前橋の会員登録をし「3人でサークルを作り1年以上見続ける」会員制と仙台でサークル自身による「運営総参加」」に発展し、混迷を続けていた全国、特に九州で再び練り上げられ発展方向へ転換していった歴史。私たちの存在は豊橋だけ、あるいは北九州だけではありません。小さな存在です。お互いの中から、何をどう学び、その本質に迫れる討議を重ねることなしには考えられません。80年代「運営サークルを本流に」であるための九演連での試行錯誤は27年経った今も重大なテーマです。しかし、九演連の中で特筆すべきことは、さらにその会がどこに向かって日本演劇にどう
かかわっていくのかという理念にまで発展させたことです。「日本演劇の民主的発展」その理想を具体的にする私たちなりの方法を見出したことです。これによって、既存の価値観が大きく転換されました。「良い演劇をより安く」という過去のスローガンがいかにエゴイズムで古臭いかと思ってしまうほどです。中部・北陸のなかで“豊橋″の存在は大きいと思います。何時までも鑑賞運動へのロマンを共有できる仲間でいたいものです。共に発展を!
【劇団・創造団体】
青年劇場
来月はいよいよ『銃口』で伺います。どんな状況にあっても、人の心と心をつなぐことの大切さを伝えるこの舞台は、日頃の皆様のサークルや運営サークル活動に重なるものがあります。演劇創造が、今日を生き、明日を考える糧となれるよう、これからも努めていく所存です。『銃口』例会の成功とこれからの運動発展に向けて、ともに頑張りましょう。
加藤健一事務所
豊橋の皆さんこんにちは
加藤健一です。討議資料を読ませていただき、,06年度の成果を大変うれしく思いました。皆さんの不断のご努力に負けないよう、私たちも感動の舞台を作り出していなければと気持ちを新たに致しました。'08年には『詩人の恋』で、また皆さんにお会い出来ますね。ものすごく面白い芝居です。ご期待ください。
劇団東演
大切な総会にご出席のみなさん、世の中はとても危ない方向に動き出しています。そんな時だからこそ、皆さんで話し合い、運動を確かなものにすることの重要さは、今さら言うまでもありません。皆さんの活動は、単なる観劇のためにとどまらず、日本の民主主義の発展と直結している壮大な営みです。冗談でしょう!と思われるかも知れません。でも憲法が危ういということは、鑑賞会の活動も、劇団の活動も危ういということです。平和・命を何よりも大切にする文化の灯をより充実発展させて下さい。ともに歩みましょう。
関西芸術座
昨年は「少年H」で、大変お世話のなりました。会員数が増えて総会を迎えられたとのこと、よかったですね。暗いニュースが多く、これから日本はどこへ向って行くのだろう…と不安な思いにかられます。地元で仲間と共にお芝居を観て、心豊かになってその仲間の方々と大いに語り合って頂きたいです。クリアを継続することは大変なことですが、皆さんのパ
ワーで、どうも頑張って下さい。創造団体を年々厳しい状況に追い込まれています。鑑賞団体の皆さんのパワーが支えです。関西芸術座は、今年創立50周年を迎えました。また例会でお会いできるよう、創造活動に邁進して参ります。実り多い総会でありますように。
俳優座劇場
総会討議資料の「はじめに」にも書かれているように、世の中は我々の意思に反して、明るい出来事ばかりではありません。でもだからこそ皆様のサークル活動は尊いものだと信じて止みません。素敵な活動の共有が出来ますように。
【他にもメッセージを頂いた団体】
大垣、岐阜、いなざわ、宮山、テアトル・エコー、東京芸術座、NLT、こんにゃく座、朋友、文学座、銅錬、青年座、無名塾、シルバーライニング、東京演劇アンサンブル、劇団1980
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■2007年度 幹事会役員 |
代表幹事 森 下 いすず (Z A O)
事務局長 大 井 則 生 (イスクラ)
幹事(事務局員)新 木 高 子 (枝折戸)
幹 事 安 藤 美佐子 (三色だんご)
幹 事 伊 藤 泰 治 (エメラルド)
幹 事 井 上 幹 雄 (帰 郷)
幹 事 加 藤 慶 吾 (ギャラリーBE)
幹 事 加 藤 のり子 (しでこぶし)
幹 事 後 藤 一 男 (スコーピオン3)
幹 事 坂 井 あさ代 (ギャラリー亜沙)
幹 事 清 水 美枝子 (テンダーウーマン)
幹 事 杉 浦 仲 枝 (池のこい)
幹 事 内 藤 幸 子 (堪 忍 袋)
幹 事 松 家 民 枝 (赤ずきん2)
幹 事 宮 瀬 博 之 (おりえんと)
幹 事 山 科 淳 子 (赤ずきん)
会計監査 稲 垣 時 枝 (スコーピオン)
会計監査 石 川 ひとみ (トモダチ)
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■声明 文化の力で平和を愛する心をひろげよう! |
昨年、私たちの豊橋演劇鑑賞会は創立30周年を迎えました。30年という歴史のなかで、これまでに延べ人数にして約49万人の人たちが、会員になって日本の優れた演劇を観つづけてきました。演劇を観つづけるということは、どういうことなのでしょうか?私たちの演劇鑑賞運動は、会員制とサークルを基礎にして、会員一人ひとりが対等・平等の関係を築きながら、社会と人間にかかわる根源的な諸問題と常に向き合い、演劇を通して一人ひとりの心を豊かにしていく文化運動を展開してきました。演劇は時代を写す鏡だといわれます。現代の日本社会がかかえる大きな諸問題を意識しなくては、人の心を打つ真の舞台芸術は生まれてきません。
いま、日本は大きな岐路に立たされています。それは、戦後私たちが築いてきた民主主義を破壊し、もう一度戦争のできる国にしようとする政治の動きが急速に高まっていることです。昨年の教育基本法の改悪、さらには日本国憲法を変えるための手続きを定めた国民投票法の成立といった一連の流れは、60年間平和で豊かな社会の繁栄を保障してきた平和憲法を一挙に変えてしまおうとする道筋をつけてしまいました。
私たちが演劇を観続けるのは、戦争を賛美し、人の差別や社会の格差を容認するためではないはずです。異文化や異民族を排除するためではないはずです。心を豊かにする芸術活動は、平和で安定した生活と自由な創造と鑑賞の場がなければ育ちません。平和への確かな保障があって、はじめて未来に希望を託すこともできるのです。
このような思いから、私たちは、平和を脅かし、平和憲法を改悪する全ての政治的な企てと流れに反対し、実りある文化生活を希求する立場から、心ある演劇人、文化人と連帯して、日本国憲法を守る運動を積極的に進めていきましょう。そして、二度と文化が戦争に加担することのないように、自戒の思いを込めて、心を豊かにする文化の輪を広げていこうではありませんか。
平成19年6月2日(土) 第32回豊橋演劇鑑賞会定期総会 |
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■石津 彩さんへのインタビュー
5月例会 テアトルエコー公演『ルームサービス』ヒルダ・マニー(秘書)役
「私わりと気が強くて…。」 |
インタビュー前日の公演を観劇のうえ、5月25日(金)昼公演前の午前日時から祁分程、秘書役の石津彩さんにお話を伺いました。
*昨日の夜公演を楽しませていただきました。それぞれの役柄にぴったりのキャストだったという印象ですが…
キャスト全員がいつも自分の役を愛しているんですよね。今回は特にみんなが自分の個性と役をすごくマッチさせて愛しているのでとてもまとまっています。役をやるのが楽しくてすばらしい旅のカンパニーになりました。
でも、私の役に関しては勿論私の個性にマッチしているとも思うんですが、受け身でけなげなビルダ・マニーと姉ごはだ的なクリスティン・マーロウで言えば、実は本当のキャラは逆かな? 私は、わりと気が強くて後輩とかもがんがんひっぼっていくタイプなのね。きっとクリスティン役の彼女もそう思っていると思います。
※きゃしゃな体型からは想像もつ
かないです。意外ですね。
この体型を維持していくのがたいへんです。初演の時に作った衣裳なんですが、一年たって再演の時に入らなくなってしまい、「作り直す余裕なんてないのよ」とか言われて体をしぼりました。テアトルエコーの役者は旅に出るとよく食べるので衣裳さん泣かせと言われるので、私は気を付けてます。
*芸術祭大賞を受賞なさった作品ということですが、事前に受賞の予感はありましたか。またその時の気持ちはどうでしたか。
予感はまったくなかったです。演出の酒井洋子さんは、それなりの手応えはあったと思いますが。知らせを受けた時、他の役者さんはわかりませんが私は泣きましたね。体が小柄なので少年の役とか子どもの役が多かったのですが、今までとは違う大人の女性をやってみたいと思っていたところにお話しがあった役なので、思い入れもあってひとしおです。
*テレビで見る芸人さんの笑いとの違いについてお話頂けますか? 芸人さんは短い時間の中で、どんどん笑わせないと売れないしそこに勝負をかけているので、否定はしません。立派な事だと思います。私達の舞台は2時間半ひっぼっていかなければなりません。似ているようで全く違うと思う。劇場まで足を運んでいただいて2時間半の間じっと座ってもらわなければいけない。テレビとはハンディがあるかもしれませんが、若い人達にも是非来てほしい。絶対喜んでもらえると思います。
*「ルームサービス」のテーマは
何でしょう。
演出の酒井洋子さんも人間はけなげさが必要と書いてありますが再演してあらためてそこがテーマなんだなと思ってます。登場人物みんながけなげですよね。みんな目的があって、そのために一生懸命になっている。ただ貧乏で他人事とは思えないですね。一座のメンバーは実感がこもってます。
*石津さんは何故役者さんになられましたか。役者でなければ何をしていたでしょう。
中学、高校とずっと演劇部だったので、そのまま自然にという感じで、他に何も考えていませんでしたね。色々劇団の試験を受けましたが、テアトル・エコーの雰囲気が自分にぴったりで、迷うことなく今に至っています。高校は母の影響で美術学科だったので、絵を描くのも好きです。
*地方公演での、あき時間の楽しみ方は?
散歩が趣味の方が多く、今回もチェックインの後ホテル周辺を散歩してましたね。私は豊橋は駅前の雰囲気の方が好きです。
*楽屋裏の様子をお聞かせ下さい。
お年を召した先輩方は、お休みになっている事が多いですね。見せてあげたいくらいです。「ルーム・サービス」では、舞台に出た瞬間に若返りますね。(笑い)
短い時間にたくさんお話を聞かせて頂きました。劇団のヘアメークも担当している事等、紙面に載せきれないのが残念です。お忙しい時間にどうもありがとうございました。
三色だんご2 安藤 |